怒られ続ける【新人看護師】が陥る1つの思考

8年間、ずっと下っ端をやっていました。

それまで新人の看護師は、1人も入ってきません。

中途採用の看護師だけは、入ってきました。

それでも、下っ端は私でした。


ここ5年、毎年新卒の新人が入ってきます。

ありがたい。


そこで、新人看護師たちを見て気付きました。

間違った思考に陥る時期がある。

わたしを含め全員が通ってきています。


この思考の存在を知るだけでも陥る時期が短くなります。

そこで、これを読みすすめるメリットは次の2点です。

①看護師歴が浅い方は、この思考からの脱出方法がわかる

②後輩の育成に頭を悩ます先輩看護師は、育成環境を整える必要性がわかる

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目次

「怒られるか、怒られないか」の判断基準で行動している

3年目看護師と2人で、残業していたときです。

最近の悩みを聞きつつ、分かってきたことがありました。


それが、「怒られるか、怒られないか」の判断基準で行動している。

目の前の業務は、何のためかは考えません。

ただ、一部の先輩と師長に怒られないように行動しているんです。


これはとっても勿体ない。

ずっと他人の機嫌を損ねないように動いているだけ


目の前の業務を深掘りすることができない。

すると次のようなことが起きる。


カートの欠品を補充する作業は、めんどくさい。

でも、欠品は怒られるから補充しよ。

でも、補充用カートが欠品しているから、しょうがないよね。

そのまま補充せずに、報告しないで退勤。


夜間緊急時に、必要な物品が欠品していることが判明。

救命処置の遅れが生じる。


翌日、師長に一連の過程が報告される。

師長と先輩看護師に質問される新人看護師。

「昨日、なんでカートの点検補充しないで帰ったの?」

「いや、ちゃんと点検・補充して帰りました」

「で、なんで欠品の物があるわけ?」

「補充用カートが空だったので、補充できなかったんですよ」

「補充用カートになければ、リーダーに報告するか自分でSPD(院内物流管理)に取りに行く!

欠品していいものと悪い物の区別もまだつかない?

夜間に緊急があって、その欠品のせいで救命処置に遅れが生じてるよ。

その欠品で支障がないか、考えなかったの?

うんぬんかんぬん・・・」


これは極端な例ですが、似たようなことが起こります。

怒られないように行動した結果、めっちゃ怒られる!


そんな馬鹿な。

あり得ない。

と思うかもしれませんが、自分にも後輩にも実際起こっていることです。


「怒られるか、怒られないか?」で行動すると、視野が狭いんです。

物事の本質を見落としやすいんです。

それ以上に考えようとしなくなるんです。


この思考もメリットがあります。

怯えている状態なので、その思考に囚われているときは疲れを感じません。

ただ、その囚われから解放されると疲労感が半端ないです。


無駄な気疲れが原因です。

さらっと書きましたが、無駄なんです。

本来、自分が発揮できる能力も失うくらい無駄なんです。

負のループ ミスを連発する新人 VS 監視を強める先輩

さきほどの事例の続き。

新人の思考では、

「やることやったのに怒られるとか、あり得ない

イレギュラーなことだし、自分のせいじゃない」

と、自己防衛に走り、反省しない。


反省しないで、ただ先輩や師長の怒りに耐える。

次も同じことを繰り返す。


先輩や師長の思考では、

あの新人は危なっかしい。

「ちゃんと、みんなで見てあげてね」

監視の目が強化される。


新人は変わらず、「怒られるか、怒られないか」で行動。

本質を見落としやすいので、くだらないミスを起こしやすい。

監視が強化されているので、くだらないミスでもすぐに指摘される。


新人は怯えているので、指摘でも怒られていると感じる。

萎縮しているので、指摘は何も頭に入ってこない。

口では「はい、わかりました」と言っているが、

その時間が過ぎるのを待っているだけ。


そして、反省せずに怯え続ける新人と監視体制を強化し続ける先輩

この負のループが続いていきます


この思考で動いた最善な結果は怒られない。

最悪の結果は怒られる。


物事の本質は見ていません。

負のループからの脱出方法

物事の本質を見るなんていうと難しいけど。


P:目の前の状況下で、最善の行動はなにかを考える

Ⅾ:実際に行動する

C:フィードバック(結果や指導)から学ぶ

A:改善する

あとは、このプロセスを繰り返す


いきなり最善の行動はなにかを考えたからといって、合格点の行動はできません

失敗しても良いんです。

怒られても良いんです。


今の自分が導き出した最善の行動ではダメだっただけ。

そこでもらったフィードバックから、より良い考えや行動を学ぶ

自分の行動の選択肢を増やす。


選択肢が増えた中から、また最善の行動はなにかを探す。

すると、より良いものが選べる可能性が増えます。

自分で行動を選択すると、その行動に責任感がでてきます


自分で選択した行動が失敗したら、次はより良い方法を選択したくなります

そうなると、自分から先輩にアドバイスを求めたり、調べたりします

ポジティブに行動を始めると、先輩の監視体制は解体。

敵だと思えた先輩も、協力し味方に変化することも。


なぜ味方になる先輩が現れるか?

厳しい見方ですが、次のように考えるからです。


成長しない後輩はお荷物(使えない)

ポジティブに動き出した後輩は、伸びしろが無限の頼もしい存在

あなたを萎縮させる環境がそろっていたら

フィードバックをくれた先輩には感謝する

「その視点はありませんでした。教えてくれてありがとうございます。」


ただ、怒りや感情を剥き出しにしてフィードバックを伝えてくる先輩からは遠ざかって。

萎縮してしまったら、学べません。

正しく、何が間違って、何をすべきだったかを伝えてくれる先輩から学びましょう


もし、1人も正しく伝えてくれる先輩がいない職場だったとしたら。

その職場は危険です。

あなたが成長するには途方もない時間がかかります


いまの新人教育は優しく教えよう。

ゆっくり教えよう。

叱らず、怒らずに。

そんな流れになっています。


あまり、ハラスメントまがいの先輩は多くないかもしれません。

でも、一部には絶対にあると思うので書きます。


理不尽な命令
感情をむき出しにした指導
過去の失敗を蒸しかえす説教
やつ当たりのストレス発散にしか思えない言動

これらを繰り返す先輩の前では、ただ萎縮するだけです。


そんな指導を受け続けるのは無意味

1割も成長の糧にできない話は聞いていても不快なだけ。

病棟を変えてもらうか、病院を変えた方がいい。


普通1を聞いて、1以上を知る。

良い先輩から聞いたら、1を聞いて、10を知ることもあります。

悪い先輩の場合、1を聞いてもマイナスになることもあります。


その理由が、萎縮させられたら何も頭に入らない

普段の落ち着いた思考ができない。

その状態で起こした行動は、ミスにつながりやすい。


萎縮させる指導者はマイナスです、害です!

相手は変えられません

自分が自分を守る行動をとりましょう


しかし、注意が必要です。

多かれ少なかれ、そんな萎縮させるような先輩はどこにでもいる

病棟や病院を替えても、1人や2人はいます。


なぜそう言えるか?

期間の長短の差はあれ、誰もがこの思考に陥っているからです。

わたしの周囲に聞いても、Twitterでの反響をみても間違いない。


正しく導く先輩もいるなら、そこで頑張ることをオススメします。

毎年、新人が入職してくる環境であるならば、後輩が入ってくるまで続けてください

先輩の監視体制は、新人の入職とともに緩和されます


もう一つ、伝えておきたいこと。

それは、萎縮させる存在が先輩だけではない。

部署に大きな影響を与える医師も、その存在になりえます


うちの病棟は人間関係が良いから大丈夫。

なんて人も、医師に対してこの思考に陥っている可能性はあります。


医師であろうと師長であろうと、肩書・身分は関係ありません。

相手を思いやらない指導は許されません


この思考から逃れられないひどい環境からは、

自分の身を守ってください。

この思考で長年苦しんだのは、自分でしたっていう話

はじめに書きましたが、8年間下っ端をしました。

下っ端は、先輩の監視体制から逃れにくい。

だから、余計自分がこの思考に苦しみました。


新人看護師をみて、自分が陥っていた思考に気付けた。

パワハラ先輩に耐え続けたせいで、成長は著しく遅かった

早く逃げて、成長できる環境に身を置くべきだった。


身も心もボロボロになった。

でも、今は笑顔で働けている。


乗り越えてしまえば、なんて事はない

あの辛かった時期を糧にして、後輩の苦しみを理解する存在になれる

すべての悩みや苦しみも、無駄なことではない


ただ、乗り越えられたらの話です。

こころと体が「ムリ」と言っているなら、その職場からは逃げてもいい

健康なこころと体があれば、あとからどうにでもなります。


いま苦しんでいる看護師の助けに、少しでもなりますように。

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