手術室看護師(オペナース)のメリット・デメリット


どーも。

おざきちです。

今回は、手術室で働くメリット・デメリットを深掘り。

病院内に数ある病棟の中で、手術室で働くとどんな良いことあるの?

逆に、どんな嫌な面があるのか?

手術室で10年以上働くおざきちが書いてみます。

目次

看護師が手術室で働くメリット = オペナースのメリット

コードブルーがない!手術をしている時には、多くの医師がいる安心感

急変がないわけではありません。

手術室でも急変します。

ただ、病棟やリハビリ中とは違い、1人の患者に対して医師と看護師が多く付き添ってます。

だから、院内コールの必要がありません。


1人の患者にどれくらいの医師・看護師が付き添うか?

医師:麻酔科医1名・執刀医1名・助手医1名以上 計3名以上の医師

看護師:器械出し1名・外回り1名 フリー0~1名 計2名以上の看護師

1件の手術中に、医師が3名以上1人の患者に付きます。

この状況が手術中ずっと続くんです。

病棟ではあり得ない状況ですよね。

何かあった時の安心感は桁違いです。

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手術中に患者は亡くならない!?患者の死と遭遇しない現場

手術中でも患者が亡くなることはあります。

ただ、短時間延命する方法があったり、延命を可能にする医師がいます。

結果、手術室で亡くなることはありません。

術中死は基本ありません。


病棟に帰室してから、死亡診断されます。

だから、エンゼルケア(死後に行う処置)をやったこともありません。


心停止した患者と遭遇しないだけで、帰室したらすぐに亡くなることは分かります。

だから、悔しさや悲しさはあります。

手術前日に術前訪問に行って、手術当日に担当する。

そこまで深く患者さんとは関われません。

長期入院で関わる病棟スタッフより、良い意味でドライな関係。

患者さんの死と長く向き合うことも、気持ちが乱され続けることもないはずです。

極めたい分野がない?!幅広い診療科目の知識がつきます

その病院の診療科の数と同じだけ、手術する診療科があります。

もちろん、内科などの手術しない科は除外して。

多くの診療科ごとの知識がつきます。

ちなみに、私の勤める手術室での診療科目は

消化器外科・整形外科・呼吸器外科・脳神経外科・心臓血管外科・

耳鼻科・泌尿器科・産婦人科・眼科・腎臓内科

10診療科目あります。

定時退勤が基本!手術延長がなければサクッと帰れる

当たり前ですが、仕事が終わって定時がくれば帰れます。

手術室でいえば、予定手術がすべて終わっていれば帰れます。

終わっていなくても、手術が1件だけなら帰れます。

当日の遅番兼オンコール担当に引き継いでもらえるのです。

夜勤なし!安定した生活リズム

夜勤のある病院もあります。

ただ、経験がないので、勤め先の現状を書きます。


夜の緊急手術はオンコール当番が対応します。

毎日2人当番がいます。

当番は日勤より2時間遅く出勤、2時間遅く退勤します。

だいたい週に1回このオンコールを担当します。

オンコール当番でなければ、日勤しか働き方はありません。

ほぼ日勤で働くので、生活リズムを崩しません。

予定が組みやすい!カレンダー通りの土日・祝日休み

一般企業に勤める人と同じように、土日・祝が休みです。

これは友達や家族と休みを合わせるのに好都合。

旅行や学校行事など、先の予定もカレンダー通りなので予定が組みやすい。

手術件数が少ない日には、休み申請も通りやすいので、平日休みもとれます。

手術室で働くデメリット = オペナースのデメリット


体力勝負?!手術内容・手術時間に左右される緊張感・疲労度

一括りに手術と言っても、診療科や手術部位によって緊張感が違います。

考えてみてください。

心臓の手術をします。

手の手術をします。

どちらの方が命に直結していますか?

どちらの方がミスや対応の遅れが大きなダメージにつながりそうですか?


心臓手術の方が緊張感が高そうだって想像できますよね。

基本、緊張感の高い手術は手術時間も長いです。

長時間緊張していれば、それだけ疲労も蓄積します。

このように担当する手術によって、その日の緊張感は大きく変動します。


患者の基礎疾患によっても手術の難易度は違います。

若くて、基礎疾患のない方。

高齢で、高血圧・糖尿病・心不全・腎不全もあって透析している方。

こんな2人が同じ手術するとします。

手術内容は同じでも、手術を始めるまでの準備に雲泥の差があります。


このように担当する手術・担当する患者によって日々の緊張感は変化します。

今週は辛かったなぁ。

振り返ると、その週は手術件数が多かったりします。

疲労は担当した手術件数に比例して増していきます。


ストレス!?常に医者がいる環境

さきほどと反対のことを言います。

急変時に医者がそばにいるって安心だよね。

そのように言いました。

しかし、普段から医者がいるのはどうですか?

医者は先生とも呼ばれる存在。

なかなか近づきにくい感じしませんか?


私はなかなか医者が常にそばにいる環境に慣れませんでした。

勝手に緊張していました。

勝手に、っていうのが肝ですよね。

自分が想像で思い込んでいるだけだったのです。

早く相手の性格を捉えて、踏み込んでいけるといいですね。

高圧的だけど、話せば気さくな医者。

一風変わっているけど、知識と技術がすごい医者。

ノリが軽そうだけど、患者には真摯に対応する医者。

分かっていたけど、医者も同じ人間です。

癖が強い人も多くて、コミュニケーションとるのも面倒な方も中にはいます。

慣れの問題もあるので、自分はフランクに接することができるといいですね。

病棟では新人?!病棟に異動しにくい手術室特有のスキル

手術室で習得するスキルは、病棟で活かせるものが少ないです。

点滴ラインを確保するのも、医者がやります。

私みたいに、手術室から看護師人生を始めると病棟異動はためらいます。

看護師経験は長くとも、病棟に異動になれば一から学ばないといけないでしょう。

それは嫌なので、手術室経験者は手術室で働くために

勤務先の病院を替える人が多いです。

濃厚なかかわりができない?!患者さんとのコミュニケーション時間は短い

前述しましたが、患者さんとのかかわりは

①術前訪問

②手術中

③術後訪問

この3点しかないです。

しかも、どれも時間は長くはありません。

手術中も大半は麻酔により意識がなく、コミュニケーションはとれません。


患者さんは人生の大きなイベント:手術に向き合っています。

期待と不安を抱える気持ちに寄り添うことで、濃厚なかかわりにできます。

日常の療養生活からかかわりたい。

何気ない会話から心の距離を縮めたい。

そういう方には物足りないかもしれません。

終わらない手術はない!でも、先が読めないときあり

術中に予定通りに進まないことはあります。

ただ、医者がその予期せぬ事態をすべて口に出して伝えてくれるとは限りません。

手術時間は経過しているけど、手術進行は遅れている。

いや、遅れているというか、進行していない。

何が起きている?


隣で器械を渡している看護師から状況を教えてもらいます。

それでも、状況が一向に変化なし。

慎重に進めている。

いや、進んでいるのか?

って、いうときも手術中にはあります。


口に出してくれても、その事態に対応する準備ができていないこともあります。

緊急トラブルに必要な器材を取り寄せるために、手術を中断することもあります。

器材不足が医者のオーダー忘れでも、全く予測できなかった場合でも

誰かのせいにして怒っている人がどこかしらにいます。

待っているときの空気は良くはありません。

「待つ」忍耐が必要です。

平日休みなし!5連勤が基本

一般的な企業なら当たり前の5日勤ですが、看護師では珍しいかもしれません。

それがメリットと感じることも、デメリットと捉える人もいるでしょう。

メリットでは予定が組みやすいと言いました。

ただ、平日休みが欲しい人にはデメリットになります。

勤務表作成前に伝えておけば、休めます。

ただ、手術件数が多い日だと分かっていたら、休みにくい。

「他の日に替えられない?」

と、言われて休めないこともあります。

辛い!?オンコールの拘束と連続した緊急呼び出し手術

オンコールは24時間、緊急手術に対応する当番制です。

病院からコールがあれば、基本30分以内に駆け付けます。

平日、祝日は関係ありません。

つまり、休みの日でも病院周辺しか出歩けません。

この拘束は考え方によっては辛いかもしれません。


私の勤務先では、1週間に1回程度でオンコール当番が回ってきます。

基本、2日連続して受け持つことはありません。

それでも、緊急手術が1夜に2件入ることがあります。

日勤して、帰ってからオンコールで呼ばれてそのまま朝まで手術。

辛いです。

滅多にありませんが、経験したことはあります。

収入少ない?!夜勤がない分、病棟より給料少ないかも

稼ぎたい人には悲しいお知らせ。

夜勤がない分、オンコールはあって待機手当がもらえます。

ただ、それだけでは夜勤の稼ぎは越えられないのが実情。

緊急手術に何回か呼ばれて、残業代も稼げば病棟の収入を超える月もあります。

安定したものではありません。

やはり、病棟の収入に比べれば若干少ないと言えます。

まとめ

メリット・デメリット書いてみました。

人によっては、まったく逆の印象を持つ人もいるかもしれません。

患者さんとのかかわりが短時間でデメリットって言うけど、

患者さんとダラダラ接したくないからデメリットではない。

手術中は緊張感高くて大変だって言うけど、

手術していない時間と手術中とメリハリがあっていい。

多くの診療科目の知識が付くって言うけど、

それだけ勉強する必要があるってことだ。

などなど。


自分の現状に合わせて、読み替えてください。

手術室勤務とはどんなものか、少しでも伝わって参考になれば幸いです。

ではまた。

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